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私の動く静止画よりもずっと前に、擬似的ダイナミック壁紙の先駆者がいらっしゃいました。日付は2014年2月6日でなんとiOS 7.0.5の頃です。「iPhone moving wallpaper without jailbreak」で検索して見つけちゃいました。
どう動く?
当時なかったiPhone 6 Plusでは余白を補ってスケールを合わせてもまだ変化が弱いですが、iPhone 5では金色にピカピカまたは銀色風にギラギラします([2015 10/15] 色々試みましたが後述のとおり大画面iPhoneでは最適化したとしても波の鋭さが足りず金属感の再現は難しいかもです → 作りました)。iPhoneのモアレ特有の曲線を描きながらも、スペースをほどよく限定することで明暗の変化を金属の反射のように演出しています。
素晴らしい!!
原理は把握されていなかったようで、他の誰かがもっとうまく説明できるだろうと書かれています。
いかにもそれはモアレ(moiré)です。
液晶や印刷では色の要素が規則的に並んでいて、像として他の規則的な模様が重なると色や光を強め合ったり打ち消し合ったりして干渉縞が発生。このような現象をモアレといい、視差効果で模様が動けばモアレも動きます([2015 10/15] 公開した壁紙ではモアレが発生するのは視差効果で動いた時だけです。パターンによっては止まったままでもモアレが出て絵柄の扱いが難しくなります)。
分析するとモアレを起こす壁紙のパターンは私のものより小さめでした。
最適な範囲
iOS 8以降では壁紙が小さいとドックとフォルダへの色滲みが強くなります。これを利用してそれらをカラーにする壁紙を作ろうとしていた時です。最終的に初代は45×90としましたが、1×2、2×4……18×32……と実験するうち……
この小さいのを普通サイズの壁紙にパターンで敷き詰めたらどう見えるんだろう(ディスプレイや印刷の網点などはミクロとマクロで違う見え方をします)。
結果はまさかの波打ち。印刷や写真に携わっていたのですぐにモアレだと理解しました。当然最適(キレイな絵という基準では最悪)なパターンがあるはず。
手元にある機種はiPhone 5と6 Plus。最適値を探るには試作と設定を繰り返す必要があります。iPhone 6はそんなふうに占有できません。ま、5とPlusで挟んだ兼用なら大丈夫でしょう。
問題は画面サイズが異なると壁紙が拡大縮小されること。パターンの大きさが変化します。
私の強みはやはり写真をやっていたことかもしれません。
デジカメの画像素子は規則的に並ぶため、網戸などを撮るとモアレが発生することがあります。条件には幅があり、細かすぎても目立たない現象です。
iPhoneのモアレにもそれを引き起こすパターンの「範囲」があるはずです。うまくすれば各機種で重なるポイントがあるかもしれない。サイズを変えながら考えられる限りの図形を試しました。特定の値ではなく最適な範囲があるという確信がないと、私も5〜6 Plus兼用の追い込みは辛かったと思います。
でもiPad用は原理的に無理みたい
iOS 7.1以降のiPadの壁紙サイズの現状とProの解像度を考慮してパターンサイズを維持したまま4150×4150の水の壁紙を試作しました。
ところがiPadではちらつくだけで動くと言い張るのも厳しい有様。パターンを変えてみても動かなくなる一方(最初の設計が一番まし)。6 Plusや縮小されすぎのiPhone 5でもかろうじて動くのに絶望的に手応えがありません。
なぜでしょう。
モアレは範囲を小さく区切りすぎると途端に消えます。規則的なパターンがまとまって並ばないといけません。まるで本物の波同士が強め合うかのようです。ピクセル的な発想では理解できない力がはたらいているのでしょうか。
もしかして画面サイズに対して視差効果の動きが足りない?
iPhone 5と6の視差効果の余白は同じ。Plusでも少し広い程度で比率的には6よりさらに狭くなります。iPadの正確な数値は不明ですが動きは大差なさそう。可動率は実画面の大きさに反比例します。
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