記事公開時のOS:iOS 8.4.1
今回は壁紙はなし。iPhoneの壁紙仕様でちょっと細かい歴史を特定する検証記事です。iOS 7.1ではどんな壁紙でも暗くなっていたというのは広く知られるところだと思いますが、はたしてiOS 8の明るい画面はiOS 7に「戻った」ものだったのでしょうか?
iOS 7.0で全面を白く
上はiOS 7.0.xでの全面白壁紙の設定サンプルです。表示範囲外に置いた黒い帯で平均明度を下げることでiOSを騙してドックとフォルダ全部を白くしています。
黒い帯をドックの下に隠した初代ではなく、第2世代となる上下分割と上下逆転です。明度を下げる面積を稼ぐためにこのようなことになっていました。
帯を上だけに置いた場合は最上段のフォルダに黒が滲みました。分割すると上の滲みは避けられます。
しかし分割ではドックが少し暗くなります。それでも下だけよりはだいぶマシで、この時点では下帯を使うメリットはなくなっています。
iOS 7.1の無差別に暗くなる仕様はこういった現象を絶対的に防ぐこと(だけ)を考えて作られたものだったのでしょうか。
iOS 8で全面を白く
iOS 8はiOS 7よりもフォルダが周りの色をよく拾うようです。
規定サイズより小さい壁紙ではいっそうその度合が増します。
iOS 8でドックとフォルダをカラーに
ドックとフォルダをカラーにする壁紙です。
小さな壁紙になるとドックやフォルダに色が行き渡ることを利用しています。しかも中心部よりも周辺部(表示範囲外)の色ほど強く拾うので、背景と異なる色を付けるのには好都合でした(その後iOS 8.3でさらなる仕様追加があり、カラーシリーズにも大変動があります。おかげで完全な真っ白もできましたが)。
これを作ったのはiOS 8.1.3の時ですが白い壁紙の変化を見るに8.0の頃には存在していた仕様だと考えてよいでしょう。
7と8の違い
普通に考えたら画面中心を差し置いて表示範囲外から優先的に色を拾ったり、壁紙が拡大されたときにより強く滲むようにする必要があるとは思えません。
真っ白系壁紙の範囲外の黒帯にわざわざ狙いを付けて周辺重視仕様に変え、その時点で出回っていたiPhone 5用の壁紙を新しい6/6 Plusに使ったときにはさらに台無しにすべくサイズに応じて滲みの強さを変えたのではあるまいか。
本当の狙いは分かりません。あるいは何か似たような事例があるのかも。その辺を判断するにはまだ材料不足です。それでもひとまず上のように「邪推」してみればドックとフォルダをカラーにすることが可能になったタイミングにもピンポイントで当たりを付けられます。明るくして真っ白壁紙に一歩譲る形になったiOS 8での「新たな対処」でなければなりません。程度の問題ではなく、8になるまでそんな偏りはなかったはずです。
しまいこんでいたiPhone 4を充電します。4ではiOS 8はサポートされず直前の7.1.2のままです。これにカラーシリーズの壁紙を設定すると……
まったく滲みません。フォルダは完全に普通です(ドックに色が付くのは直に色がかかっているので当然です。小サイズの影響としてMacに小さいのを設定したときのように階段グラデーションになっています)。iPhone 4の壁紙には視差効果はないので表示範囲外もありませんが、小さいからといって色が行き渡ることはなく、カラードック・フォルダはiOS 8未満では不可能ということが分かります。
一方を抑えられたことで一方が可能に。一見対照的に見えるドックとフォルダを真っ白にする壁紙とカラーにする壁紙が本当に裏表の関係とは。
iOS 8の明るい画面は表面的にはiOS 7に戻ったと見せて、特定の現象(帯などを隠した真っ白)を抑制することに的を絞るよう進んだものだったと言えるようです。
これでやっと自作のすべての壁紙について、一応はどのOSのどの機種で使えるかを言えるようになりました。
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