サイト（旧）開設時の壁紙 その1「White On White」

このページは以前Wixブログで書いた記事をアクセシビリティを考慮してBloggerに移植したものです。
オリジナルの記事公開日　04/04/2014


このシリーズの前身は@iOScalendarさんとの交流で生まれました。

iOS7になって、ドックが消える壁紙以前にクリーム色の特定の濃度でドックやフォルダが消えるのを偶然見つけて、全面フラットになる壁紙を作ってFlickrに公開してました。ただの薄いクリーム色一色の壁紙です。でもそんなの多分他にはないから、一応世に出さなきゃと思ったんです。本当はモノトーンにしたかったけどどうやら無理でした。

その後@iOScalendarさんが部分的にドックを消す壁紙をリリース。それで私自慢したんですね。クリーム色だけど全部消えてますよって。そしたら間もなくドックが消える壁紙を出してきたんですよ。フォルダは残りましたがドックの所は白なのに消えてる。何で？ってなりました。
ドック以外の場所に置いた色でもってディスプレイをコントロールしたそうです。その辺の原理はTwitterにもまとめたことがありますが、私の説明に一部間違いもあったので改めて。

まず、iOS7ではドックの処理が3種類ありました。1.地の色を拾ったグレーにする、2.地の色を明るくして像をぼかす、3.地の色を明るくして像をぼかす条件で文字が白抜きになるときは文字同様ドックにも影をつける。これらは壁紙全体の平均明度で選択されているようです。ドックが消えていたのは2の条件を満たす明度でドックの背景を白くしたときでした。白を明るくしてぼかしても白なので見分けがつかないというアイデアだったんですね。

これはつまり、真っ白は不可能ということも意味していました。どこかで暗さを稼がなければいけませんから。

私はiPhoneのホーム画面をいわゆるライン管理というので整理してます。フォルダを各列1個ずつ左右どちらかにまとめて、同ジャンルで最も使うアプリ3個を出しておくやつです。上から下までフォルダが1個ずつあるんですよ。何かしら見えてしまうわけです。真っ白で消せないと。

それで考えました。ドックを消すために置く色を逆にドックの後ろに隠したらどうかと。2.の条件を満たすぎりぎり最小のところに追いこんでったらできました。ちょっとだけドックに影が出ますけど。で、それならいっそ何か色があった方がいいという向きもあろうかとさらに5色で作りました。それらをFlickrに置くと同時にリンクを貼り、Twitterを通じて@iOScalendarさんにアイデアを「お返し」しました。iOS7のドックとフォルダを白い壁紙で全て消すという人類の夢がかなった瞬間でした。

ところでこの方法、少なくとも設定時に視差効果を減らすをオフにしておく必要があります。視差効果を無くしていたら明度判定は640×1136の表示範囲で行われ、生かしていたら744×1392の画面外の部分まで拾う仕組みなんですね。そこでさらに思いつきました。だったら上も安全圏かもしれない。

安全圏でした。もっとも、上だけで面積をまかなうと最上段のフォルダの上の方にうっすら影が出ます。上下分割が最も純白に近い、でも1列目にフォルダさえ無ければ上だけバージョンは完全な白。白の究極と言うには収まりが悪いですが、そういう所まで行きました（iPadでは縦横回転に伴って生じる四隅の死角を使って純白も作れていました。iOS7.1ではこの四隅は計算に入れなくなったようです）。ちなみに、壁紙の横は結局利用できませんでした。確かに自分のiPhoneを左右に傾けてみる機会はあまりありませんから、上下方向を余計に余らせてあるみたいです。それから、パララックスエフェクト対応の1040×1536だともっと余白ありそうですけどこれはだめでした。

当時私はiPhoneアプリで帯入りの壁紙を作るぐらいしかできませんでしたし、見つけたことは@iOScalendarさんと共有して託していました。一部できないと思ったことで、私ができないだけかもしれないとあえて言わなかったこと（iPhoneの横の方は滲みが強くておそらく[「 ]は使えないなど）もありますけど。そうやってドックやフォルダを恣にする技術が存在してたわけです。
ところが、ついにアレがきます。iOS7.1が。壁紙を一律に暗くしてしまうドック消え封じの日が。

白が白でなくなるならそれより明るいドックが作れてしまうわけですな。その後の私たちの抵抗は後日書くとして、一通りやった後でこの壁紙に戻って考えてみました。白っぽいんですよ。ドックやフォルダが。非透過のグレーにはなってない。ただの白壁紙を使ったときよりだいぶ奇麗です。もしも、iOS7が白壁紙でこのくらいの見た目だったら私は壁紙作りなんかやってないというくらいにはシンプルです。悪くない。上記の明度を操る技術自体は生きてるわけです。だったら、ドックをどうにかするよりこっちが名前を変えてやればいいんじゃないのか？

iOS7.1では暗くなるから差し色は明るめに。明るくすると面積が要るし、マルチタスク画面で帯が出ないように上下分割というよりは上下加算に。色無しはフォルダに影ができても、もともと消えないフォルダだし、暗くなった方がかえって見えないぐらいだから上だけの帯のを残そう……

白（っぽ）い壁紙に白（っぽ）いドックと白（っぽ）いフォルダ。名付けてWhite On White。