今回は影響の仕方が3種類あります。すべてのユーザーに影響がある変更、一部の機種に影響がある変更、一部の壁紙に影響がある変更です。
追記:3-❷小さな壁紙では設定できないサイズがあると❹圧縮されたPNG画像はモノクロにされることがあるはIOS 11.1で解消されています。
iOS 11のホーム画面の変更点その1
すべてのユーザーに影響があるもの
1-❶ドックが変わりました
iPhoneではドックが低くなり、iPadでは宙に浮いたデザインに変わりました(iPadのドックは機能面でも変化があります)。ドックに置いたアプリのラベルは非表示になります。
5.5インチと4.7インチではドックの上のページ数を示すドットも下がっています。しかしどういうわけか4インチではドットだけ取り残されています。
1-❷ 文字のぼかしが弱くなりました
背景と文字の色が近いときに入っていた文字の周りのぼかしが弱くなっています。背景によっては文字が見辛くなります。9/21追記:ステータスバーのぼかしは一部のパーツで少しだけ強くなっています。
1-❸ アイコンラベルの最大文字数が増えました
これまで最大10文字だったアプリのアイコンラベルが14文字まで表示されるようになりました。14文字を超えると末尾が「…」となります(4.7または4インチiPhoneの場合)。
1-❹ スマート反転
コンテンツを反転させずにアプリの背景だけを暗くするアクセシビリティの新機能(Safariなどのブラウザの画面は完全に反転してしまったりと使い勝手はイマイチ?)。ホーム画面では一部の要素のみ反転するバグが残っています。アイコンの色調も結構変わります。
1-❺ シャットダウンしやすい
写真アプリでは壁紙を設定した直後、AirDropを受信した瞬間などにしばしば落ちます。Safariなど他のアプリでも落ちることが多いようです。アプリだけが落ちることもあれば、iPhoneが再起動することもあります。
一定回数壁紙を設定すると写真アプリが落ちるバグは修正されました。
1-❻ フォルダ内のアプリ移動が難しい
アプリアイコンが簡単にフォルダの外に出てしまうため、フォルダの中でアプリを移動させるのがかなり難しくなったように感じます。
1-❼ デフォルト壁紙の追加
デフォルト壁紙が久し振りにたくさん追加されました。なくなった壁紙もあります。
1-❽ 言語によってはアイコンラベルの文字が太くなった
英文フォントは変わっていませんが日本語フォントは太くなっています。
iOS 11のホーム画面の変更点その2
一部の機種に影響のあるもの
2-❶ PlusシリーズiPhoneのランドスケープモードが正方形の壁紙に対応しました
これは広く誤解されていましたが、 iOS 10までのPlusのランドスケープは正方形の壁紙に対応していませんでした。ランドスケープでは中央が引き伸ばされるだけで、正方形に対応していたのはプレインストールされた壁紙の一部だけです。
iOS 11でようやく、正方形の壁紙を使った場合は縦画面と同じサイズのまま横長に表示されます。仕様が誤解に追いついた形です。
2-❷ iPadも再び正方形に対応
これも長らく誤解されていた項目です。
確かにiOS 7まではiPadも正方形に対応して、縦位置でも横位置でもバランスよく壁紙が表示されていました。
iOS 7.1で縦位置だと下の方が、横位置だと右の方が思い切り切られるようになります(移動と拡大縮小をしない場合)。世代によって視差効果の余白も変わり、古いiPadではデタラメに拡大表示されました。iOS 9.2以降は左右はセンター合わせになり、高さが余る時は下がカットされるようになっていました。
それが3年半ぶりにようやくiOS 11で修復されたようです。実機が手元にないので視差効果の余白などは不明です。
2-❸ Plusのアイコンラベルがアイコンから離れた位置に
Plusのアイコンとアイコンラベルの間隔が変わりました。もともと他の画面サイズと比べてアイコンの間隔は広かったのに、なぜかラベルだけ窮屈だったのが広がりました。
9月26日追記:iPadではドック、フォルダ、背景の明るさが極度にばらばらになっています。
試験協力 @Zooropalg iOS 11 iPad Air 機種により結果が異なることがあります |
おそらくドックとフォルダが両方とも明るくなるような条件は存在しません。しかしこれでは暗くならない壁紙はほとんどないのではないでしょうか。
iOS 11のホーム画面の変更点その3
一部の壁紙に影響のあるもの
3-❶ 小さな壁紙がただの壁紙に
iOS 11は壁紙のサイズをサイズとしてしか計測しません。
何を言っているかわからないかもしれません。iOS 8以降、壁紙のサイズが規定より小さい場合はドックとフォルダが周辺の色をより強く拾うようになりました。
さらにiOS 8.3以降、壁紙のサイズが規定より小さい場合は実際の壁紙の明るさに関わらず、暗い壁紙だと判定されるようになります。その後もサイズにまつわる様々な判定とそれに伴うバグは増えていきました。
ところがiOS 11は壁紙のサイズが小さくても暗い壁紙のようには反応しません。ドックが異常に色を拾うこともありません。背景の色のとおりの挙動を見せます。
サイズを計測しない。これは小さなサイズを利用したすべてのトリックが機能しなくなることを意味します。壁紙のサイズと明るさを結びつけるというのも意味がわかりませんでしたけどね。
3-❷ しかし小さな壁紙は設定できないことがある
例えば4.7インチ、5.5インチのiPhoneでは、幅7ピクセル以下は設定不可能、幅8ピクセルは設定可能、幅9ピクセルは不可能......幅700ピクセルは可能です。可能不可能の閾値が無数にあるかもしれません。そして高さは関係なさそうです。
Photosの編集機能で回転させれば設定できる壁紙もあるということでもあります。設定するだけなら。
設定可能なサイズでなければアプリまたはiPhoneが落ちます。
3-❸ 小さな壁紙が綺麗なグラデーションにならないことがある
小さなグラデーション画像はホーム画面で階段状に表示されることがあります。色にもよりますが、ある程度高さがあれば大丈夫なようです。
3-❹ 圧縮されたPNG画像はモノクロにされることがある
これは壁紙の画像フォーマットがPNGの場合に限ります。一般的な写真やイラストを使った壁紙サイトでは圧縮率を高くできるJPEGフォーマットを使うことが多いので、あまり問題にはならないかもしれません。
必ずではありません。機種によってかなり違いますが、問題ない壁紙もあります。基準はよくわかりませんが、一定以下のコントラストを持つ壁紙(そして、あるいは逆にあり得ないくらいの色相差を持つ壁紙?)でモノクロ化が起こりやすいように見えます。
そしてなぜかモノクロになる壁紙でも圧縮なしのデータならカラーで表示されます。ただし小さな壁紙はSafarからの保存で劣化するためモノクロ化することがあります。
当サイトでは対策済み |
ともかく、これらの変更の影響で今回も使えなくなる壁紙が出てきます。iOS 11用新壁紙と併せて「iOS 11用新壁紙と型落ち壁紙」でご確認ください。
ワンモアシング
Plus iPhoneの正方形対応を確認できる雛形を公開しています。視差効果で設定した表示画面を示します。
▶︎ Plus iPhone ランドスケープ表示範囲検証用壁紙
基本的な仕様のおさらい
通常サイズの壁紙についてはiOS 10.2から変更はありません。iOS 9.3までとは若干変わっているので基本的な項目を整理します。
- 壁紙の色が全体的に濃い場合は白文字、全体的に薄い場合は黒文字に。ただし、例えば壁紙が全体的に赤っぽければやや赤みがかった黒になるなど、黒文字は背景の影響を受けます。
- 壁紙のコントラスト(輝度差、色相差、彩度)が高い場合は背景が暗くなります。上の方がより暗いグラデーションシャドウになっています。
- 文字の色と暗くなるかどうかに直接の関係はありません。ただ傾向としては暗くなるときは白文字が多いです。
初めまして!
返信削除ゲーム内でiPhone用に作られた壁紙をロック画面に設定したらモノクロ画像になってしまい、色々調べてたらこちらにたどり着きました。
なるほど、iOSの仕様が少し変わってしまったんですね!
たまたま娘がわざと拡大した画像をスクショしたものをロック画面に設定していたのですがこの拡大前の元の画像もモノクロになってしまってて、どういう事だ、と思ったのですが
もしかして拡大した画像をスクショしたものを保存すると画像形式が変わるのでしょうか?
モノクロ画像になってしまう画像をほんのちょっとだけ拡大して、それをスクショしたものをロック画面に設定したらカラーで表示されたもので…。
実際はかなり稀だと思っていたんですけど該当してしまったんですね。画像を切り取って絵柄の条件が変わることも、アプリで保存形式が変わることもあり得ます。
削除あと、このページに追記しておくべきだったのですが、変更がわずかだったので忘れていました(サイトだけを更新していました)。iOS 11.1にするとおそらく元の画像でもカラーで表示されると思います。
お返事ありがとうございます。
削除そうだったんですね。
iOS11.1がリリースされてるのを恥ずかしながら知りませんでした。
教えていただいてありがとうございます!
早速iOSをアップデートしたら元の画像に戻してみますね!
でも本当にここに辿り着けなかったらいつまでもモノクロ画像のままなのかと思い込んでいました…(笑)